平成30年度 独立行政法人国立病院機構甲府病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 485人 397人 163人 155人 166人 198人 288人 372人 308人 91人
 当院では小児科病床のほか、成育医療としてNICUを有しており、山梨県の地域周産期母子医療センターに指定されていることもあり、昨年度同様年齢構成で最も多いのは0~9歳までの新生児や小児科の患者さんで、全体の約19%を占めています。
 年齢別で傷病の頻度を見てみますと、10~70歳代では膝疾患が最も多くなっていますが、50歳代以降になると悪性新生物の患者数が増加傾向になっています。
 80歳代では白内障が最も多く、90歳代では大腿骨骨折が最も多い傷病になっています。

 ◇集計方法・定義
  ・退院患者を10歳刻みの年齢階級別に集計しました。
  ・年齢階級別に集計することにより、その病院の特徴や患者構成をおおよそ知ることができます。
  ・年齢は入院時における満年齢を基準として、90歳以上を1つの階級として設定しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160620xx02xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 関節滑膜切除術等 453人 13.69日 7.29日 0.44% 44.3歳
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 197人 30.3日 14.27日 0.51% 27.29歳
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 56人 32.07日 26.3日 58.93% 84.63歳
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 49人 30.57日 24.26日 0.0% 72.82歳
160780xx97xx0x 手関節周辺骨折脱臼 手術あり 定義副傷病なし 48人 6.75日 4.13日 0.0% 32.58歳
 1番目、2番目ともに膝疾患(損傷によるもの)の手術症例となっており、この2つで整形外科全症例数の約48%を占めています。いずれも膝疾患(損傷によるもの)によるものですが、実施した手術によりDPCコードが異なっています。1番目は膝疾患(主に半月板損傷や外傷性滑膜炎)に対し半月板切除術や滑膜切除術を実施した場合、2番目は膝疾患(主に半月板損傷や十字靱帯損傷)に対し半月板縫合術や靱帯断裂形成手術を実施した場合です。
 3番目は大腿骨骨折で、平均年齢が84歳と高齢です。また当院では大腿骨骨折の場合、慢性期の病院やリハビリ病院等へ転院するケースが多く、転院率は約60%と高くなっています。
 4番目は変形性膝関節症の手術症例、5番目は手の骨折の手術症例となっています。
 当院の整形外科ではスポーツ膝疾患治療センターを開設しており、特に膝関節疾患の治療を積極的に行っていますので膝疾患の患者数が多くなっています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 14人 9.93日 9.87日 0.0% 45.86歳
120140xxxxxxxx 流産 12人 2.58日 2.45日 0.0% 35.75歳
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2-なし 11人 25.0日 19.69日 9.09% 30.73歳
120165xx99xxxx 妊娠合併症等 手術なし 11人 26.0日 11.8日 0.0% 27.09歳
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし - - - - -
 最も多いのは子宮筋腫による手術症例でした。
 2番目に多いのは流産、3番目は切迫早産による入院でした。
 4番目の妊娠合併症等によるものについては、全てが重症妊娠悪阻による入院となっています。
 なお、この表には含まれておりませんが当院の産婦人科で最も多く取り扱っているのは、経腟分娩(自費分娩)となっています。当院は山梨県の地域周産期母子医療センターに指定されていることもあり、1番目の婦人科系疾患以外は妊娠・分娩に係る産科疾患となっています。

 患者数が10名未満の場合は「-」表示としていますが、患者数「0」というわけではありません。
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 15人 30.0日 20.92日 33.33% 87.6歳
100380xxxxxxxx 体液量減少症 - - - - -
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病なし - - - - -
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2-なし - - - - -
100071xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等2-あり 定義副傷病あり 重症度85歳未満 - - - - -
 内科では、基本的な一般内科診療を行っています。最も多いのは昨年同様誤嚥性肺炎で、平均年齢は87.6歳と高齢です。

 患者数が10名未満の場合は「-」表示としていますが、患者数「0」というわけではありません。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病なし 85人 6.64日 6.19日 3.53% 1.35歳
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 77人 7.04日 6.62日 2.60% 2.56歳
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 52人 6.98日 5.71日 0.0% 4.33歳
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2-なし 39人 4.92日 5.42日 0.0% 4.59歳
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 手術・処置等2-なし 26人 4.19日 3.83日 0.0% 2.27歳
 上位3つについては急性気管支炎や気管支喘息、肺炎などの呼吸器疾患による入院であり、秋から冬にかけてはRSウイルスによる呼吸器感染症も多くなっています。
 4番目はノロウイルス、ロタウイルス含むウイルス性腸炎です。
 5番目は熱性けいれんが多くなっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 39人 6.77日 7.3日 2.56% 64.59歳
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 35人 2.31日 4.96日 2.86% 69.23歳
060050xx02x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)肝切除術 部分切除等 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 22人 15.41日 13.92日 0.0% 72.91歳
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 19人 6.42日 6.52日 0.0% 61.68歳
060035xx99x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-6あり 定義副傷病なし 16人 3.25日 4.41日 0.0% 66.88歳
 最も多いのは胆石性を含む胆嚢炎の手術症例でした。
 2番目に多いのは鼠径ヘルニアによる入院です。
 3番目は肝臓の悪性腫瘍の手術症例となっています。当院では平成30年度の肝臓の悪性腫瘍全症例に対し腹腔鏡下での肝切除術を実施しております。
 4番目は胆のう結石症の手術症例、5番目は結腸の悪性腫瘍の化学療法による入院となっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 119人 2.51日 2.84日 0.0% 77.94歳
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 眼科における入院は全て白内障手術による入院です。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - 10人 - - - - 1 7・8版
大腸癌 - 12人 20人 32人 - - 1 7・8版
乳癌 - - - - - - 1 -
肺癌 - - - - - - 1 7版
肝癌 11人 - - - - - 1 7・8版
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 患者数が10名未満の場合は「-」表示としていますが、患者数「0」というわけではありません。
 患者数で最も多いのは大腸癌(74名)で、次いで胃癌(32名)、肝癌(24名)と続きます。
 胃癌、大腸癌、肝癌については、より体への負担が少なく病気を根治に導くことを目的として腹腔鏡下による手術を積極的に行っています。

 ◇集計方法・定義
  ・全国で罹患率の高い、5大癌(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)の患者さんの人数を、病気分類(UICC分類)別および再発に分けて集計しました。
  ・集計期間中に複数回入退院を繰り返した場合にも、1症例1カウントとして集計しています。
  ・「初発」として集計された症例は、「再発」には集計されません。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 12人 19.85日 83.69歳
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
 患者数が10名未満の場合は「-」表示としていますが、患者数「0」というわけではありません。
 患者数が最も多いのは中等症の症例でした。

 ◇集計方法・定義
  ・成人(15歳以上)の市中肺炎の患者さんを重症度別に、患者数、平均在院日数、平均年齢を集計しました。
   ※市中肺炎とは、日常生活の中で罹患する肺炎をいいます。
  ・入院のきっかけとなった傷病名および最も医療資源を投入した傷病名が、肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(DPC:040080相当)の症例を対象としています。
  ・ウイルス性肺炎(DPC:040070相当)および誤嚥性肺炎(DPC:040081相当)は集計対象から除外しています。
  ・重症度は、日本呼吸器学会の「成人市中肺炎診療ガイドライン」によるA-DROPスコアを用います。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 - - - -
その他 - - - -
 患者数が10名未満の場合は「-」表示としていますが、患者数「0」というわけではありません。
 表には掲載されておりませんが、脳梗塞発症から「3日以内」の入院患者さんの該当はありませんでした。

 ◇集計方法・定義
  ・脳梗塞の病型別の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しました。
  ・最も医療資源を投入した傷病のICD-10がI63$(脳梗塞)である症例を集計しています。
  ・発症日から「3日以内」、「その他」に分けて掲載しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K068-2 関節鏡下半月板切除術 310人 1.12日 12.86日 0.32% 52.67歳
K066-21 関節鏡下関節滑膜切除術(膝) 183人 1.1日 9.46日 0.55% 26.65歳
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 113人 3.43日 26.88日 0.88% 26.14歳
K069-3 関節鏡下半月板縫合術 68人 1.03日 24.78日 0.0% 28.63歳
K0461 骨折観血的手術(大腿) 45人 1.89日 29.31日 60.0% 85.6歳
 上位4つはいずれも膝疾患に対する手術であり、整形外科の全手術症例のうち約半数を占めています。これら膝関節鏡下の手術については、術後からリハビリを開始し、全荷重での退院を目指したプログラム(クリニカルパス)を手術別で組んでいます。そのため同じ膝の関節鏡手術でも、手術によって平均術後日数は異なっています。また膝疾患では学生の患者さんも多いため、平均年齢は低くなっています。
 5番目は大腿骨骨折に対する手術で、平均年齢は85歳以上の高齢層となっています。また大腿骨骨折の場合、慢性期の病院やリハビリ病院等へ転院するケースが多く、転院率は約60%と高くなっています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 16人 1.0日 7.94日 0.0% 48.25歳
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) - - - - -
K9091ロ 流産手術(妊娠11週まで)(その他) - - - - -
K9062 子宮頸管縫縮術(シロッカー法) - - - - -
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) - - - - -
 最も多いのは子宮全摘術であり、子宮筋腫などの患者さんに対して実施する手術です。
 2番目は緊急帝王切開ですが、これは経腟分娩の途中で何らかの異常により分娩が停止してしまった場合等に実施するものです。
 3番目は11週までの流産手術、4番目は子宮頸管縫縮術となっています。
 5番目は選択帝王切開ですが、これはあらかじめ帝王切開が予定されていた場合の術式名称であり、骨盤位や双胎妊娠、前回のお産も帝王切開だった患者さんの場合等に実施します。

 ※患者数が10名未満の場合は「-」表示としていますが、患者数「0」というわけではありません。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 64人 1.88日 4.25日 1.56% 64.44歳
K6335 鼠径ヘルニア手術 35人 0.09日 1.23日 2.86% 69.23歳
K695-21 腹腔鏡下肝切除術(部分切除) 22人 4.82日 9.55日 0.0% 72.27歳
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 19人 4.89日 15.53日 0.0% 74.53歳
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 13人 0.0日 1.0日 0.0% 68.08歳
 最も多いのは、腹腔鏡下胆嚢摘出術です。当院では胆嚢は強い胆嚢炎も含む全症例を、単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術で行っており、平均術後日数は4.25日となっています。
 2番目は鼠径ヘルニアの手術であり、こちらは平均術後日数が1.23日と早期で退院されていることが分かります。
 3番目は腹腔鏡下肝切除術(部分切除)で、主に肝癌に対する手術です。平成30年度は全ての肝癌の肝切除を腹腔鏡下で実施しています。
 5番目は2cm未満の大腸ポリープ等に対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。通常、1泊2日の入院です。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 118人 0.0日 1.51日 0.0% 77.86歳
K279 硝子体切除術 - - - - -
 眼科の入院において実施される手術は、1番目の白内障に対する手術が主となっています。
 通常、1泊2日または2泊3日の入院期間で実施しています。(片目の場合)

 ※患者数が10名未満の場合は「-」表示としていますが、患者数「0」というわけではありません。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
 患者数が10名未満の場合は「-」表示としていますが、患者数「0」というわけではありません。
 当院では播種性血管内凝固症候群が0.04%、敗血症が0.11%、手術処置等の合併症が0.15%の発症率となっており、いずれも1割以下の発症率です。これら合併症については、臨床上ゼロにはなりえないものですが、少しでも改善できるよう努めています。

 ◇集計方法・定義
  ・医療資源を最も投入した傷病名がDIC、敗血症、その他の真菌症および手術・処置等の合併症の患者数と発症率を集計しました。
  ・入院のきっかけとなった傷病名が「同一」か「異なる」かに分類して集計しています。
更新履歴
2019/9/12
平成30年度病院指標を公開しました。