看護部だより「産褥入院」このページを印刷する - 看護部だより「産褥入院」

2015年8月17日掲載

乳児

2病棟看護師長 加藤 真紀


スタッフ集合写真
 先日ニュースで、「山梨県産前産後ケアセンター」開設のお知らせが報道されていましたが、みなさんは「産褥入院」という言葉をご存じでしょうか?「産褥(さんじょく)」は、妊娠・出産という大仕事を終えた女性の身体が妊娠前の状態までに回復することを言います。通常の身体に戻るまでの期間(産褥期:さんじょくき)は、産後6~8週間くらいです。この期間の入院を「産褥入院」といい、お産後のお母さんの退院を延期して育児に自信をつけたり、赤ちゃんと過ごす時間の少なかったお母さんが再び入院し、育児に慣れる目的で行います。
 当院で「産褥入院」を始めたきっかけも、お母さんの不安そうな気持ちや、心配そうな姿を見ているからでした。また、出産まもない赤ちゃんの具合が悪くなり、治療が必要になった場合は、赤ちゃんは保育器に入りお母さんと離れてしまうことがあります。治療中は、入院中のお母さんは育児を行う期間が短くなり、育児に不安を残しながら退院することもあります。このように、いざ退院できることになっても育児が心配なお母さんや、実家ではないため育児のサポートをしてくれる人がいなくて不安なお母さんなどに、入院期間を延ばすことを勧めています。 
  
 「産褥入院」は、こんな方にお勧めです。
産褥入院

お祝い膳
 入院中は、24時間助産師が育児のサポートをします。産科のスタッフが自分の知り得る知識や技術をお伝えしています。また、少しでも疲労を和らげようと、リラックス効果のあるアロマオイルを用いて足のマッサージも行っています。1,000円/回と有料ですが好評をいただいています。お食事では、分娩した褥婦さんに豪華なお祝い膳をお出ししています。さらに産褥入院で2泊以上利用の方には再度お祝い膳を提供しています。このようにお過ごしいただきながら、母親と赤ちゃんの双方に関わり、話し相手となり少しでも育児に慣れてから自宅に帰ることが出来たらいいなと考えています。
 出産後悩みを抱えているお母さん、「産褥入院」をご利用下さい。
母子
 世の中がハイテク化になろうが機械化が進もうが、昔から変わらないのが“お産”かもしれません。でも出産する人は皆違います。その人たちのそばに寄り添い支えになりたい、元気な赤ちゃんと会い子育てに臨んでほしいと病棟スタッフは思っています。