マンモグラフィーについて
2015年8月25日掲載
診療放射線技師 北澤 彩
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当院のマンモグラフィー機器 日立 LORAD M‐?W
マンモグラフィーの準備としては上半身の衣服はすべて脱いで頂きます。また眼鏡は外し、髪の毛が長い場合は後ろで1つに束ねて頂きます。撮影は乳房を挟みながら圧迫をして、上下方向から左右1枚ずつ、左右方向から1枚ずつ撮影します。乳房を全体が写るように前に引きだし、撮影台にのせます。乳房の厚みが4~5㎝になるように、圧迫板で上から圧迫をします。撮影時間は1枚あたり数秒で、圧迫時間もおおよそ10秒以内です。乳房を圧迫板では圧迫することは診断に必要な良い写真を撮るために、とても重要なことです。乳房は柔らかく立体的で厚みもあり、そのまま撮影すると乳腺や脂肪、血管などが重なり、実際に腫瘍があっても写し出されないことがあります。またその重なり自体が腫瘍のように見えてしまうこともあります。しかし乳房を薄くすることで鮮明な画像を得ることと、放射線の量も少なくすることが出来ます。圧迫をする際に個人差はありますが痛みはどうしても伴います。しかし痛みを軽減するポイントもいくつかあります。1つは乳腺の張りです。月経前や授乳中など乳腺が張っている時は痛みが強く感じやすく、月経が始まって1週間から10日くらいの張りの少ない時期の方が、痛みが少ないとされています。もう1つに緊張があります。不安や痛いというイメージから痛みに対して敏感になり、身体も強ばってしまいます。すると筋肉がカチカチな状態になり、立体的な乳房を薄く圧迫し撮影範囲以内におさめることが難しくなります。そのため、圧迫も強くなり技師が引き出すことも増えてしまい、結果として痛みがより強く感じてしまいます。ですので、緊張せずにリラックスすることが重要になります。
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マンモグラフィーにより撮影された乳房の写真