新生児への退院調整を始めましたこのページを印刷する - 新生児への退院調整を始めました

2015年10月23日掲載

新生児集中ケア認定看護師 新生児集中治療室退院調整看護師 荻野 央子

 6月から新生児集中治療室(NICU)で退院調整をはじめました。新生児集中治療室に入院している患者さんは、小さく生まれた赤ちゃんや、生まれたばかりで何らかの病気により治療を受けなければならない赤ちゃんです。患者さんは、当院で生まれた赤ちゃんだけでなく、近隣の病院から搬送されてくることもあります。私は、新生児集中ケア認定看護師の資格を持ち、新生児集中治療室退院調整看護師としてNICUと外来の地域連携室で活動しています。新生児集中治療室退院調整看護師は、以下の3つの役割があります。
退院調整囲み

育児指導風景
 退院支援計画とは、医師やご家族・社会福祉士とともに相談して作る、赤ちゃんの退院後に関する計画です。この計画には、赤ちゃんが入院することになった経緯や治療内容・予測される退院時期・退院先・退院後の育児協力者・利用できる福祉サービスなどが書かれています。この内容を赤ちゃんが入院している時から、ご家族の状況や希望を聞きながら、医師・社会福祉士と相談して作成していきます。ご家族は入院中の赤ちゃんを見ると、「退院しても大丈夫だろうか」「退院後どう育てていけばいいのか」と不安に思ってしまいます。また、赤ちゃんが入院したことを自分の責任だと責めてしまうお母さんもいます。こういった気持ちを受けとめながら、退院支援計画作成の面談を行い、お母さんが赤ちゃんに対する理解を深め、退院後の生活がイメージできるように準備していきます。
 私は、他の病棟看護師と違い夜間勤務はしないので、普段の日中はたいてい新生児集中治療室で面会のご家族に会うことができます。その分、ご家族の思いや状況を知ることができ、他の看護師にも情報を伝えられるので、病棟全体が協力して赤ちゃんとご家族の退院に向けた関わりを行うことができます。
 このように不安なことを入院当初からできるかぎり解決し、自信を持って、安心して退院できるようお手伝いしています。
 ご面会時、不安なこと、疑問に思うことがありましたら、いつでもご相談ください。