ノロウイルス感染防止対策に取り組んでいますこのページを印刷する - ノロウイルス感染防止対策に取り組んでいます

2015年12月24日掲載

感染管理係長 大家 真由美


おう吐物処理方法の演習風景
 ノロウイルスとは、冬に流行する感染性胃腸炎の一つです。発生は1年を通して見られますが、11月頃より発生件数は増加し、12月から翌年1月にピークとなる傾向にあり、冬から春にかけて注意が必要です。
 ノロウイルスは非常に感染力が強く、ごく少量のウイルスが体内に侵入しただけでも爆発的に増殖し、激しい下痢やおう吐の症状が現れます。感染経路はほとんどが経口感染(ウイルスが口から体内に入ることで感染すること)です。家庭や共同生活施設などで、人と人が接触する際や、感染している人の便やおう吐物を処理する際に、人の手などを介して二次感染した場合に起こります。
 このため、正しい感染防止対策が確実に実施できるよう、毎年冬の感染症の流行シーズン前には、ノロウイルス感染防止対策のための活動を行っています。今年は、病棟の代表者を集めてノロウイルス感染防止対策のマニュアルをもとに、講習を行いました。9月にノロウイルスの特徴、感染防止対策、手指衛生の方法について講義を受け、10月に患者さんが床におう吐した場合を想定し、おう吐物処理方法の演習を行いました。

病棟看護師への指導練習風景
 ポイントは、処理した後に自分が感染源にならないようにすること、汚染したおう吐物を確実に処理することです。自分が感染源にならないとは、処理した後に、自分の手や服にウイルスがいないように注意することです。そのために処理前に自分が汚染しないようにガウンや手袋、シューズカバーで防護する方法・処理の後に自分の手にウイルスを残さないように注意して、着ていた防護具を取り外し、片付け、手を洗う手順を練習しました。汚染したおう吐物を確実に処理するとは、床や患者さんの触れるところにウイルスが残らないようにきれいにすることで、そのために嘔吐した場所の周辺を広範囲に拭取り、消毒を行う方法を実施しました。
 この講習会の参加者は、自分の部署で学習内容を伝達し、看護職員一人一人が正しい方法で処理が出来るように指導を行っていきます。
 様々な感染症から身を守るためには、第一に手洗いが大切です。手についた、目に見えない病原体を体内に取り込むことで、感染が起こります。皆様も食事の前、トイレの後、外出からの帰宅時等にはきちんと手を洗いましょう。