熊本震災ボランティアに参加して
2016年10月25日掲載
リハビリテーション科 作業療法士 古澤 諭
ボランティア活動証明書を手にする古澤作業療法士
今回は熊本市社会福祉協議会を通じて一般参加で活動してきました。活動内容は様々でしたが、ほとんどが高齢者からの依頼で震災ゴミの片付けや引越し作業、家具の運搬などでした。
私は、震源地に近く被害の大きかった東区で震災ゴミの片付け作業を行いました。依頼主は70歳代後半の男性、甥と二人暮らしで現在は避難生活中という方でした。周囲の家屋は、瓦が落ちてブルーシートで補っているものから完全に潰れているものまで、被害の大きさが目に見て分かるほどであり、活動した家屋も傾いていました。予定していた作業は時間内に終わり、依頼された方にも大変喜んで頂きましたが、ボランティアセンターのスタッフによると、高齢者世帯が多くそれらの方々がご自分で片付けを行うには身体的にも精神的にもきついと感じる人が多くいるとのことでした。また、現地スタッフのご厚意で隣接している益城町(最も被害の大きかった場所のひとつ)へ行きましたが、そこは別世界のようでした。道路は波打ち、建物はほぼ倒壊しており、そのほとんどは当時のままということでした。仮設住宅の設置はまだ不足しており、建物の解体作業も始動したばかりという事でしたが、「復興はこれから、これからが頑張るとき」という現地スタッフの熱い言葉が印象に残りました。
凄惨な現実が残っていましたが、日常を取り戻しつつある場所も多くありました。熊本市中心部では路面電車や車は多く走り、繁華街は大変にぎわっていました。熊本のシンボルである熊本城も、大きく崩れた部分は多く残って入場制限もされていましたが、夜にはライトアップされて迫力のある天守閣が輝いていました。大規模な土砂崩れがあった南阿蘇は、山肌は崩れて多くの経路が断たれている状況でしたが、それでもツーリングや観光 を楽しんでいる方が多くいらっしゃいました。
今回のボランティアは一般参加でしたが、作業療法士としてできる活動も行っていきたいと思いました。実際に、JRATなど災害リハビリテーション支援を行う団体があり、避難所での健康管理やメンタルヘルス、仮設住宅の家屋評価など、リハビリテーションならではの支援を行っています。以前より、「災害が起きたときにリハビリテーションには何が出来るだろう」と疑問・興味がありましたが、これを機に研修等に参加して自身も活動していきたいと思いました。
また、現地の方々には大変お世話になり、食料や飲料水などの準備をしてくださったり、サービスをして頂いたりなど、こちらの方が恩恵をもらったような気持ちになるほど歓迎して頂きました。短い間ではありましたが、良い経験をさせて頂きました。