内科
概 要
内科では、おもに糖尿病・代謝疾患の診断、治療をおこなっています。
外来診療案内
月曜から金曜日(土日・祝日を除く平日)の午前中、医師5名で外来診療を担当しています。再診予約表に記入してある時間は、診察時間の目安となっておりますが、その日の混み具合や救急患者対応などにより待ち時間が長くかかる場合があります。大変にご迷惑をおかけしますが、ご理解よろしくお願いいたします。
外来担当医は外来担当医表をご覧ください
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黒澤 理恵(くろさわ りえ)
内科医長 昭和62年 杏林大学卒 専門分野 内科(内分泌、代謝、糖尿病) メッセージ 糖尿病、メタボリック症候群などの代謝疾患の 診療を行っています。 |
渡邉 美教(わたなべ みのり) 内科医師 平成21年 山梨大学卒 資格(所属学会・認定医・専門医)等 認定内科医 総合内科専門医 日本内科学会 日本腎臓学会 日本透析医学会 専門分野 内科(腎臓、糖尿病、内分泌、代謝) |
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髙 伶(こう れい)
内科医師 平成25年 山梨大学卒 資格(所属学会・認定医・専門医)等 日本内科学会認定医 内科学会 日本リウマチ学会 日本腎臓学会所属 専門分野 内科(リウマチ膠原病、糖尿病、内分泌、代謝、 腎臓) |
非常勤医師 |
中尾 篤人(なかお あつひと)
内科医師(非常勤) 平成元年 千葉大学卒 資格(所属学会・認定医・専門医)等 日本免疫学会 日本アレルギー学会 専門分野 内科(免疫学) |
非常勤医師 |
古屋 直子(ふるや なおこ) |
TOPICS
メタボリックシンドローム(代謝症候群)について
健康について、最近の最も大きな話題はメタボリックシンドローム(代謝症候群)でしょう。メタボリックシンドロームとは、生活習慣病について積み重ねられた疫学的な研究、最新の遺伝子研究や分子生物学的な研究の結果から導き出された概念です。一般には内臓脂肪症候群ともいわれます。内臓脂肪とは簡単にいうと胃や小腸、大腸などの臓器のまわりについている脂肪のことです。
食べ過ぎや運動不足、不規則な生活など生活習慣が乱れることが続くと、まず肥満が起こります。肥満になり内臓脂肪が蓄積すると、体の動きを調整するさまざまなホルモンの働きに狂いが生じてきます。
内臓脂肪に関係する脂肪細胞は様々な生理活性物質(ホルモンの一種)を産生し分泌する働きがあり、これらの活性物質が糖代謝を阻害したり、血圧を上昇させたり、脂肪代謝を阻害したり、動脈硬化を抑制する動きを弱めたりして、生活習慣病を発症させる原因となることが分かってきました。
その中でも血液中の糖を細胞が取り込んで利用できるようにするインスリンという糖代謝の中心となるホルモンの働きが悪くなる状態をインスリン抵抗性といい、研究の結果、糖尿病の原因となるほかに、高血圧症、高脂血症を引き起こす原因となる重大な病態であることが分かりました。インスリン抵抗性が中心となって代謝障害による病態が進行すると、食後高血糖から進行して糖尿病を発症したり、高血圧症、高脂血症(高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症)を発症して全身の動脈硬化が進んで、最終的には虚血性心疾患や脳血管障害などの発症につながっていきます。また糖尿病の進行はやがて有名な糖尿病の3大合併症である腎症、網膜症、神経症を引き起こします。
以上のような病態が解明されてきたため、内臓脂肪蓄積型肥満に加えて高血圧、高血糖、高脂血症のうちの2つ以上をあわせ持つ状態をメタボリックシンドロームと呼び、生活習慣病を発症させる危険な状態であるという概念が提唱されるようになりました。
日本のメタボリックシンドロームの診断基準は内臓脂肪の量を基準に組み入れるねらいでCT上の内臓脂肪断面積を考慮に入れたため、WHOやアメリカの基準とは異なる診断基準となっています。内臓脂肪を評価する腹囲の基準については本邦でも未だ多くの異論があり、現在の診断基準は今後見直しがなされることになると思われますが、基本となる考え方はご理解いただけるものと思います。
メタボリックシンドロームは、まだ生活習慣病発症の前の、病気ではない状態をとらえた概念です。高血圧症、糖尿病、高脂血症の兆候を早期にとらえて対策を講ずることで生活習慣病を予防することがこの提唱の目的です。
また内蔵脂肪の解消やライフスタイルの調整は、すでに高血圧症、糖尿病、高血脂症、肥満症、心血管疾患、脳血管疾患などの疾患で治療を受けている人にとっても、不可欠な基礎療法でもあります。
食生活の是正、適度な運動、規則正しい生活など、ライフスタイルを調整することでメタボリックシンドロームに陥ることを予防し、理想的な身体作りと健康の増進を心がけましょう。
(「てんじん」第19号より転載)
健康について、最近の最も大きな話題はメタボリックシンドローム(代謝症候群)でしょう。メタボリックシンドロームとは、生活習慣病について積み重ねられた疫学的な研究、最新の遺伝子研究や分子生物学的な研究の結果から導き出された概念です。一般には内臓脂肪症候群ともいわれます。内臓脂肪とは簡単にいうと胃や小腸、大腸などの臓器のまわりについている脂肪のことです。
食べ過ぎや運動不足、不規則な生活など生活習慣が乱れることが続くと、まず肥満が起こります。肥満になり内臓脂肪が蓄積すると、体の動きを調整するさまざまなホルモンの働きに狂いが生じてきます。
内臓脂肪に関係する脂肪細胞は様々な生理活性物質(ホルモンの一種)を産生し分泌する働きがあり、これらの活性物質が糖代謝を阻害したり、血圧を上昇させたり、脂肪代謝を阻害したり、動脈硬化を抑制する動きを弱めたりして、生活習慣病を発症させる原因となることが分かってきました。
その中でも血液中の糖を細胞が取り込んで利用できるようにするインスリンという糖代謝の中心となるホルモンの働きが悪くなる状態をインスリン抵抗性といい、研究の結果、糖尿病の原因となるほかに、高血圧症、高脂血症を引き起こす原因となる重大な病態であることが分かりました。インスリン抵抗性が中心となって代謝障害による病態が進行すると、食後高血糖から進行して糖尿病を発症したり、高血圧症、高脂血症(高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症)を発症して全身の動脈硬化が進んで、最終的には虚血性心疾患や脳血管障害などの発症につながっていきます。また糖尿病の進行はやがて有名な糖尿病の3大合併症である腎症、網膜症、神経症を引き起こします。
以上のような病態が解明されてきたため、内臓脂肪蓄積型肥満に加えて高血圧、高血糖、高脂血症のうちの2つ以上をあわせ持つ状態をメタボリックシンドロームと呼び、生活習慣病を発症させる危険な状態であるという概念が提唱されるようになりました。
日本のメタボリックシンドロームの診断基準は内臓脂肪の量を基準に組み入れるねらいでCT上の内臓脂肪断面積を考慮に入れたため、WHOやアメリカの基準とは異なる診断基準となっています。内臓脂肪を評価する腹囲の基準については本邦でも未だ多くの異論があり、現在の診断基準は今後見直しがなされることになると思われますが、基本となる考え方はご理解いただけるものと思います。
メタボリックシンドロームは、まだ生活習慣病発症の前の、病気ではない状態をとらえた概念です。高血圧症、糖尿病、高脂血症の兆候を早期にとらえて対策を講ずることで生活習慣病を予防することがこの提唱の目的です。
また内蔵脂肪の解消やライフスタイルの調整は、すでに高血圧症、糖尿病、高血脂症、肥満症、心血管疾患、脳血管疾患などの疾患で治療を受けている人にとっても、不可欠な基礎療法でもあります。
食生活の是正、適度な運動、規則正しい生活など、ライフスタイルを調整することでメタボリックシンドロームに陥ることを予防し、理想的な身体作りと健康の増進を心がけましょう。
(「てんじん」第19号より転載)
糖尿病をはじめとした生活習慣病への取り組み
当院では、糖尿病の診療を積極的に行っており、高血糖や低血糖による昏睡などの緊急時の対応も行っています。また、糖尿病になるリスクの高い方、いわゆるメタボリック症候群に含まれる方の診療や妊娠糖尿病の診療なども行っています。さらに、糖尿病教室を開催したり、教育入院による体験的治療を実施したりして、ご家族も含めた指導もしています。
<糖尿病教育入院>
当院では7日間~14日間の教育入院コースがあります。血糖コントロール不良な方をはじめ、地域の医療機関から紹介された患者様を対象として、血糖コントロールをしながら合併症の精査を行い、治療と共に自己管理法を基本から学んでいただけます。
糖尿病は、初期のうちには自覚症状がない病気です。それだけに、生活習慣改善の必要性をよく理解することが病気の克服する大切なポイントです。
(「てんじん」第18号より転載)
内科医長 黒澤 理恵
日本では糖尿病患者やその予備軍は急激に増加しており、その数は2010年には1000万人を突破するといわれています。糖尿病は、血液中の糖の量が高くなることで起こる病気です。日本人に多い2型糖尿病の原因は、遺伝因子(体質)と環境因子(生活習慣)が重なることで発症します。食生活の欧米化、運動不足、ストレス過多の現代の生活が糖尿病の増加と関係しています。神経症、網膜症、腎症などの特有な合併症や、高血圧症や、高脂血症と並ぶ、動脈硬化の危険因子のひとつで、放っておくと、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす恐れがあります。当院では、糖尿病の診療を積極的に行っており、高血糖や低血糖による昏睡などの緊急時の対応も行っています。また、糖尿病になるリスクの高い方、いわゆるメタボリック症候群に含まれる方の診療や妊娠糖尿病の診療なども行っています。さらに、糖尿病教室を開催したり、教育入院による体験的治療を実施したりして、ご家族も含めた指導もしています。
<糖尿病教室>
毎月第4金曜日に開催しています。医師、看護師、栄養士、検査技師、理学療法士が、毎回テーマを決めて糖尿病に関連する話、運動の実技、最新の話題などを提供しています。また、糖尿病教室の特別編として、お食事会を開催しています。 糖尿病の食事療法といえば、「量が少ない」「味が薄くてまずい」等のイメージを持つ方が多いのですが、季節の食材をふんだんに取り入れた様々な料理は、「糖尿病食でも、工夫次第で美味しくかつボリュームを増やすことができるんですね!」と、毎回好評をいただいております。 |
<糖尿病教育入院>
当院では7日間~14日間の教育入院コースがあります。血糖コントロール不良な方をはじめ、地域の医療機関から紹介された患者様を対象として、血糖コントロールをしながら合併症の精査を行い、治療と共に自己管理法を基本から学んでいただけます。
糖尿病は、初期のうちには自覚症状がない病気です。それだけに、生活習慣改善の必要性をよく理解することが病気の克服する大切なポイントです。
(「てんじん」第18号より転載)